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AI・ChatGPT

FDEで問い合わせを自動振り分け|複数用件・判断不能を見落とさない設計

86研究所 card-ai
約 5 分公開:2026-10-11

FDEで問い合わせを自動振り分けする際は、分類名だけでなく、複数の用件・判断できない内容・担当者不在の場合の戻し先まで決めます。AIの分類結果をそのまま担当者への割り当てに使うのではなく、原文と判定理由を確認でき、対応が止まった案件を見つけられる流れにすることが要点です。

本記事では、中小企業の問い合わせ受付を想定し、図解、分類表のひな型、架空データの動作デモを紹介します。86研究所が提案する設計例であり、顧客の実績や分類精度を示すものではありません。

FDEが設計するのは分類から対応開始まで

FDE(Forward Deployed Engineer)は、現場の課題を整理し、実装と運用改善までつなぐ役割です。問い合わせ業務では、受付窓口、内容確認、担当先の選定、引き受け、回答という一連の流れを確認します。役割の全体像はFDEの基本解説をご覧ください。

たとえば、料金を知りたいという相談と、利用中の操作に関する相談では、必要な情報や対応する担当先が異なります。一方、1通の問い合わせに両方が書かれている場合もあります。どちらか一方へ送るだけでは、一部の用件が残ってしまうため、複数用件の扱いを決める必要があります。

Anthropicは、入力を分類して適切な後続処理へ導く「ルーティング」を、AIワークフローのパターンの一つとして紹介しています。分類にはLLMだけでなく従来のアルゴリズムも使えるとしています。出典:Anthropic「Building effective agents」。以下は、この考え方を業務の受付に当てはめた86研究所の設計案です。

図解:問い合わせを振り分ける4段階

問い合わせ振り分けの4段階。原文を保持し、用件を判定し、複数や不明なら一次受付へ戻し、対応の引き受けを確認する
86研究所作成の設計例(2026年10月11日)。画像を押すと拡大できます。

受付時は原文と受付番号を残し、要約だけで判断しないようにします。用件の候補を出した後、決めた条件に従って担当先を選びます。複数の候補がある場合や判断できない場合は、一次受付の確認対象として残します。

最後に、担当先へ渡ったことと、担当者が対応を引き受けたことを分けて記録します。通知が成功しても着手されていない場合があるため、未着手の案件を確認する担当と頻度も決めます。

最初に作る分類表のひな型

分類例含める内容判断に迷う場合担当先の例
料金相談プラン・見積もりの相談請求内容への異議は別の確認が必要営業窓口
操作相談利用方法・設定方法の質問利用環境や対象機能が分からないサポート窓口
複数用件料金と操作など複数の相談主担当と協力担当を誰が決めるか一次受付
判断不能・対象外情報不足、定義した分類に当てはまらない内容必要な追加情報を整理する一次受付

これは架空の分類例です。自社で使うときは、含める例だけでなく、含めない例、振り分け先、責任者、見直し日を記入します。部署名が同じでも担当範囲が変わるため、定義と担当先の両方を更新できる形にします。

分類の確かさと緊急度を分ける

分類先が明確でも、通常対応でよいとは限りません。至急の対応が必要な内容をどう扱うかは、用件の分類とは別に業務ルールを定めます。AIが出す「自信度」も、そのまま正解の確率とは扱わず、確認済みの例で誤り方を調べてから利用範囲を判断します。

複数用件では責任者を曖昧にしない

複数部署へ同時に通知するだけでは、全員が別の人の対応を待つ状態になり得ます。一次受付が主担当を決め、必要に応じて協力担当へ分けるなど、回答を取りまとめる人を決めます。作業を分割する場合も、元の問い合わせ番号を共有して追跡できるようにします。

実画面:料金と操作が同時に含まれる場合

独自デモに「料金を知りたいです。操作も教えてください。」という架空の文章を入力して実行しました。「料金・操作」の2候補を表示し、一つに決めず「一次受付で確認」と表示します。

独自デモの実行画面。料金と操作の2候補を検出し、一次受付で確認と表示している
86研究所制作・撮影(2026年10月11日)。注目箇所は「料金・操作」と「一次受付で確認」の表示です。

このデモは「料金」「操作」という文字列を探す簡単なルールだけで動き、AIは使用していません。「料金の話ではありません」のような否定も文字列として拾うため、本番用の意味理解や分類性能を示すものではありません。外部通知、登録、自動回答も行いません。単一候補・複数候補・該当なしを分ける画面の考え方を示しています。

導入前に確認する6つのケース

  • 単一用件:担当範囲に合う窓口へ進むか。
  • 複数用件:用件を落とさず、取りまとめる担当者を決められるか。
  • 曖昧な内容:無理に分類せず、確認対象として残せるか。
  • 否定・引用:「料金ではない」や過去メールの引用を誤解しないか。
  • 担当者不在:代替の担当先や確認者へ戻せるか。
  • 再実行:通知・登録が重複せず、結果を追跡できるか。

判定内容に関係なく、人が確認すべき案件の条件も別に用意します。戻し方はAI自動化で人に戻す設計、再実行は二重登録を防ぐ業務連携を参考にしてください。

全体の正解率だけでなく、分類別の誤りを見る

試行段階では、利用許可を得た例や匿名化した例を人が確認し、期待する分類と実際の結果を比較します。料金相談が多いデータでは、全体の正解率が高くても、件数の少ない分類がうまく扱えていない場合があります。分類別の誤り、確認待ち件数、振り直し件数、未着手の滞留を分けて記録します。

分類定義や指示文を変更した後は、同じ例で比較します。確認方法はAI運用の回帰テストで解説しています。

よくある質問

最初からAIを使う必要がありますか?

受付フォームで用件を選べる場合など、入力項目やルールの整理で対応できることもあります。自由文の理解が必要な部分を確認し、AIを使う範囲を決めます。

分類できたら自動回答まで行えますか?

分類と回答は別の処理です。回答には正しい根拠や個別条件の確認が必要なため、まず担当先候補を人が確認する運用から始め、回答の作成・承認は別途設計します。

86研究所のFDE伴走支援では、問い合わせの転記や担当者への引き継ぎを含め、業務整理からAI活用設計、実装、運用改善まで支援しています。現在の受付窓口、分類方法、対応が止まりやすい場面を整理し、AI業務診断でご相談ください。対象範囲は利用環境と要件を確認して決めます。

執筆・図解・デモ制作:86研究所|公開日:2026年10月11日。本文の分類・担当先・文章は説明用の例です。

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